医療現場では、患者様やそのご家族からの暴言・暴力、過剰な要求などに悩まされるケースが少なくありません。こうした行為は「ペイシェントハラスメント」とも呼ばれ、医療従事者の心身の健康や、医療の質そのものを脅かします。この記事では、病院が取り組むべき対策と、警備スタッフが果たせる役割をご紹介します。
ペイシェントハラスメントとは
ペイシェントハラスメントとは、患者やその家族などによる、医療従事者への著しい迷惑行為のことです。たとえば次のような行為が挙げられます。
- 大声で怒鳴る、威圧的な言動を繰り返す
- 殴る・蹴る・物を投げるなどの暴力
- 長時間にわたる執拗なクレーム、土下座などの過剰な要求
- 職員への性的な言動、つきまとい
- SNSへの誹謗中傷の書き込みをほのめかす
社会的に対策が求められている
カスタマーハラスメントへの対策は、医療に限らず社会全体の課題になっています。国も事業主に対策を求める方向で法整備を進めており、医療機関でも組織として取り組むことが重要です。
また、医療機関には正当な理由なく診療を拒んではならない「応招義務」がありますが、国の通知では、診療・療養などにおいて患者の迷惑行為がある場合、診療しないことが正当化されうるという考え方も示されています。
注意
制度や通知の内容は改正されることがあります。最新の情報は厚生労働省の公表資料をご確認ください。
病院が取り組むべき対策
1. 方針を明確にして掲示する
「暴言・暴力には毅然と対応する」という病院の方針を、院内やWebサイトに掲示します。抑止効果に加え、職員が安心して対応できる後ろ盾になります。
2. 対応マニュアルと連絡体制を整える
誰が、どの段階で、誰に報告するのか。警察への通報基準も含めて、対応の流れを決めておきます。
3. 一人で対応させない
ハラスメントへの対応は、複数人で行うのが原則です。夜間や休日など職員が少ない時間帯こそ、警備スタッフとの連携が重要になります。
4. 記録を残す
日時・場所・言動の内容を記録しておくことで、その後の対応や再発防止に役立ちます。
警備スタッフができること
| 場面 | 警備スタッフの役割 |
|---|---|
| トラブルの兆し | 巡回やモニターで早めに察知し、受付・医療スタッフと情報を共有 |
| 暴言・威圧的な言動 | 職員の近くに立ち会い、冷静に声をかけて場を落ち着かせる |
| 暴力・器物損壊 | 職員や他の患者様の安全を確保し、関係部署・警察へ連絡 |
| 事後 | 状況を記録し、病院へ報告。再発防止策の検討に協力 |
警備スタッフがそばにいるだけで、職員の心理的な負担は大きく軽減されます。また、威圧感を与えない落ち着いた対応は、相手の興奮を鎮めることにもつながります。
POINT
警備スタッフは医療的な判断は行いません。安全の確保と、医療スタッフへの連携に専念します。
救急外来でのクレーム対応については「救急外来のクレーム対応|受付スタッフができること」もご覧ください。
病院警備|病院警備ドットコム病院ごとの運営方針や院内動線、想定リスクを踏まえたオーダーメイドの警備体制。夜間の体制から24時間365日の常駐まで対応します。
まとめ
ペイシェントハラスメントから職員を守ることは、医療の質を守ることにもつながります。方針の明確化、対応体制の整備、そして「一人で対応させない」仕組みづくりが大切です。夜間のトラブル対応に不安がある病院は、病院警備ドットコムへお気軽にご相談ください。





